声を聴き合う患者たち&ネットワーク VOL-Net


TOP PAGE

乳がん情報BOX

イベント情報

乳がん用語集

治療のフローチャート

VOL-Netについて

TOP PAGE

サイトマップ
問い合わせ

・ VOL-Netについて〜活動の記録〜
■実施日 2005年11月5日(土)午後2時〜4時半
■場所 目黒エコプラザ 活動室
■テーマ 「誤解していませんか?緩和医療」
〜苦痛のない、あたりまえの毎日を送るために〜
■講師 (財)癌研究会有明病院 緩和ケア科部長
向山 雄人 先生
■参加者数 33人
 11月5日(土)目黒エコプラザにて、テーマ勉強会「誤解していませんか? 緩和医療 〜苦痛のない、あたりまえの毎日を送るために〜」を開催しました。講師は癌研究会有明病院 緩和ケア科部長の向山雄人先生。穏やかな小春日和の中、33名の参加がありました。

 前半は、向山先生による、がんの緩和医療・緩和ケアの概念・現状・治療法・そして問題点について、パワーポイントを使いながらの講義、後半は参加者から事前に頂いた質問と、前半の講義を受けて感じた疑問を用紙に書いていただき、その中から質疑を行ないました。
 特に印象的だったのは、「がん治療医の治療は、“がんを縮小させる治療”だけでなく、“がんに伴う苦痛に対する治療”と二つを両輪として行なうものである。そうすれば、「もう治療法がないから、どこかへ行って下さい」という言葉はない。“がんを縮小させる治療”を積極的治療と呼び、それに対して“がんに伴う苦痛に対する治療”である緩和ケアを消極的治療と呼ぶことがあるが、消極的にする治療というものはありえず、緩和ケアも積極的治療である」というような言葉でした。質問の中からは、患者としてどうしたらいいかの一つとして、「医師に痛みを訴える時は、辛いことを簡潔に3つ紙に書いて医師に渡す」「緩和ケアはまだ早い、ということはありえない。早い時期から緩和にかかっておくこと。そうすれば、癌は怖くない病気である」などのアドバイスもありました。

 この勉強会を通して、がん治療医の緩和ケアに対する理解の必要性や、認定緩和ケア病棟の包括定額制診療報酬の問題なども見えてきました。しかしまずは患者自らとして、意識改革の良いきっかけとなったと思います。
 また、アンケートからは、「緩和ケアは、最期に行くところという誤解が解けた」「具体的なお話でよくわかった」などの声が多く、参加者が少なかったことを、とても残念に思いました。

 懇親会も12名とこじんまりでしたが、遠方から勉強会に参加して下さった医師の方も加わり、おしゃべりは尽きず楽しく時間が過ぎました。
 

= 講師ご紹介 =
向山 雄人  先生
******************************************
がん緩和ケア医 腫瘍内科医
東海大学医学部卒、 米国マサチューセッツ工科大学(MIT)癌研究センター リサーチフェロー、 癌研病院化学療法科・癌化学療法センター臨床部医長、都立駒込病院化学療法科医長、都立豊島病院緩和ケア科・腫瘍内科医長、癌研病院内科副部長を経て現在に至る。日本緩和医療学会評議委員、日本臨床腫瘍学会指導医など。
******************************************
〜向山先生生からのメッセージ〜
緩和ケア科は、がんに伴う苦痛に対して適正な医療を積極的に提供する診療科です。特に再発・転移がん、進行がんに対しては、抗がん剤治療と同時に開始すべきであり、終末期だけの医療ではありません。今回の講演では、仮に皆さんが再発した時に、苦痛がなく当たり前の生活ができ、「がん難民」とならないためにどうすれば良いかお答えしたいと思います。

back