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・ VOL-Netについて〜活動の記録〜
■実施日 2006年12月2日(土)午後2時〜4時半
■場所 東京医科歯科大学 医科新棟5階症例検討室
■テーマ 「−分かり合いたい−患者の気持ち、家族の気持ち」
■講師 東京大学大学院医学系研究科
 健康学習・教育学分野助手 高橋 都 先生
目白大学 人間社会学部心理カウンセリング学科
 教授(臨床心理士) 小池眞規子先生
■参加者数 33人
12月2日(土)東京医科歯科大学にて、テーマ勉強会「−分かり合いたい−患者の気持ち、家族の気持ち」を実施しました。
高橋都先生、小池眞規子先生、お二人を講師に迎えての心と身体についての勉強会です。高橋先生にはVOL-Net第1回目の勉強会にお越しいただき、今回は2度目のご講演でした。
前半は高橋先生から「パートナーとの関係:心とからだの両面から」という題名でセクシュアリティを含め、パートナーとの関係についてお話しいただきました。
完璧なパートナーはいない、完全に理解することは無理だから察しあうのではなく、言葉にしようということでした。治療による性生活の変化、ヒントなどまだまだたくさんのお話を聞きたい感じでした。カップルの正直なコミュニケーションのためにというところで「小さくても嬉しいことを、小さいことが大事」との言葉が印象的でした。
後半は小池先生から「患者の気持ち、家族の気持ち 患者と家族のコミュニケーション」というお話の後、参加者、高橋先生含めての車座ディスカッションでした。
家族の定義から始まり、家族の神話として、“家族だからわかる、話せる”ではなく“家族であってもわからない、話せない”とのこと。コミュニケーションのスタイルなどのお話がありました。コミュニケーションのこつは、まず自分自身とコミュニケーションをとること、そして、あうんの呼吸は難しい、言葉に出さないとわからないというということでした。患者となった時だけでなく、普段のコミュニケーションから意識できれば、色んなストレスが軽くなるかな、と思う今日この頃です。
ディスカッションではお子さんに病気のことを伝えたかどうか、またその思いなど、参加者からの貴重な体験談も聞くことができました。そのお話に対して両先生からも対応のコツなどをお話しいただきました。
「気持ち」というものは、とても大事なものですが、やはり言葉にして伝えなければ、相手にも、自分自身でもわかることは難しいのだなぁと感じます。
<参加者の方々のアンケートから>
「家族だから話せないことがある」ということに病気を体験して気付きました。家族の数だけ答えがあるという言葉が心に残りました。(患者本人、手術後2年)
普段なかなか考えることがまとまらないことを、話を聞いてみんなで考える機会になってよかった。(患者本人50代、手術・診断後7年6ヶ月)
私自身すごく考えさせられました。私は生保の営業をしているので、もっと患者さんの立場に立った支援やその他いろいろなことを考えて仕事をしていきたいです。ありがとうございました。(患者家族・娘)
<講師の高橋先生から>
先日は参加させていただき有り難うございました。セクシュアリティとパートナーシップの両方を語ろうとしたためか、時間が足りなくなってしまい、消化不良感が残った方にはお詫びします。後半のグループディスカッションや小池先生のお話は、とても心にしみいるものでした。コミュニケーションのことは話がつきませんね。子どもや親のことも含めて、周りの人たちと正直で暖かい関係をつくるヒントをこれからも考えていきたいと思います。
<講師の小池先生から>
親子、パートナー、きょうだい…、家族のありよう、そしてその関係は千差万別です。短い時間ではありましたが、参加された方から家族のコミュニケーションについて、それぞれ問題を提起していただき、みなさんでいっしょに考えることができたのは、とても有意義であったと思います。なかなか解決には至らなくとも、他の方の意見から、ヒントが得られたのではないか、そんなふうに感じました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

※勉強会に先立って行いました家族関係のアンケートにご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。今後は患者本人はもちろん、ご家族や医療者に伝えるために冊子の作成を予定しています。完成まで今しばらくお待ちください。

== 講師ご紹介 ==
小池 眞規子 先生
目白大学人間社会学部 心理カウンセリング学科教授(臨床心理士)
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略歴:東京学芸大学教育学部学校教育科心理学専攻卒業
筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修士課程修了
国立小児病院神経科心理研究員
東邦大学医学部付属病院小児科心理士
国立がんセンター東病院臨床心理士
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〜小池先生からのメッセージ〜
長年、臨床心理士として、小児医療、がん医療の現場におりました。多くの患者さんやご家族との出会いから学んだこと、感じたことから、患者さんとご家族との関係について、ご一緒に考えていきたいと思います。
高橋 都 先生
東京大学大学院医学系研究科 健康学習・教育学分野助手
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略歴:岩手医大医学部卒業
東京慈恵会医大第一内科、立川中央病院内科などで内科臨床に従事
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻
カリフォルニア大学ロサンゼルス校公衆衛生大学院客員研究員
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〜高橋先生からのメッセージ〜
診断や治療をきっかけに、セクシュアルな側面も含めて、パートナーとの関係に変化が生まれることがあります。関係のあり方はカップルそれぞれですが、より「わかりあう」ためのコミュニケーションについてご一緒に考えたいと思います。

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