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VOL-Net5周年記念シンポジウム
「本音で語る乳がん医療 ─各診療科・臨床医の視点から─」 |
■実施日 |
2007年11月10日(土)午後1時半〜4時半 |
■場所 |
国立オリンピック記念青少年総合センター
国際交流棟1階 国際会議室 |
■パネリスト |
清水 哲 先生 (国家公務員共済組合連合会三宿病院 外科)
吉村 吾郎 先生 (市立岸和田市民病院 外科)
山下 浩介 先生 (北斗病院 在宅医療科)
相良 吉昭 先生 (特別医療法人博愛会 相良病院)
宇津木久仁子 先生 (癌研有明病院 婦人科)
大沢かおり (東京共済病院 医療ソーシャルワーカー)
会場参加
飯島 光晴 先生 (県西部浜松医療センター 放射線治療科) |
■参加者数 |
72人 |
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当日はあいにくの肌寒い雨の日となりました。会場に行き着くまでの道のりもちょっと大変でした。
また、パネリストの一人である向山医師が体調を崩され,急遽欠席されるという思わぬアクシデントと新たに参加された飯島医師(壇上には上がりませんでしたが)を加えての、5周年記念シンポジウムの開催となりました。
今回進行を努めてくださった清水医師のアイデイアにより、医療を料理に例え、副題は“VOL-Net流 注文の多い料理店”。様々な立場の医師(シェフ)にお話を聞くという、フルコースメニュー仕立てで進めました。
前菜として、開会の挨拶、及びVOL-Netの歩みと展望が供された後、主菜のパネリストによる発言となりました。
今回は癌専門病院、大学病院、一般病院、クリニック経験の医師、また都市部から地方(北海道から鹿児島まで!)と、まさに多彩な現場の声を聴くことができました。
外来に忙殺される現実、その中でのセカンドオピニオンの対応、外来を3つに(検診、フォローアップ、再発)に分けた話、緩和ケア病床の実体からがん難民までと話題は尽きません。
ここで一息、お口直しに、グラニテとして桑木野さんの二胡の演奏を堪能しました。
もうひとつの主菜からデザートは、会場からの質問への答えを含めながら討議していくというものでした。身内が乳癌になったらどんな病院を薦めるか、行政に望むことは、緩和ケアをどう捉えているか、などがありました。
その中から、いい患者になるコツは?の答えを簡単にまとめてみます。
・聞きたいことのメモを用意する(これは最低限)。
・食事も取れずに診療を続ける医師の立場を理解すること。
・医師に限らず看護師などのスタッフからも情報を得る。
・黙りこまずに話して伝える。
・再発患者など時間のかかる人に時間を充てるため、何もない時は即、明るく切り上げる。
本音で語るのタイトル通り、シェフ達の思い、厨房の裏話?など、時々笑いに包まれながら多様な話の展開となりました。
改めて感じるのはメディカルサポーター達の患者に寄り添う暖かさ、「私の主治医に聞かせたい!」と思った参加者も多かったかもしれません。
まだまだ食べ足りないメニューであったかと思います。いろんなシェフの声を聴きながら、さてはて、私たち患者としてのテーブルマナーも見直して行きたいものです。
アンケートもずっしり内容が濃く、忌憚のないご意見ありがとうございました。
今後も皆様の声、医療者の声を聴きながら、立場を越えて共に歩んで行くVOL-Netでありたいという思いを強くしました。
懇親会はメンバー限定で、24名の参加、和やかな会となりました。
なお、当日の配布資料は、以下のリンクより見ることが可能です。
5周年記念シンポジウム会場配布資料
<出席してくださった先生方から>
医師が好き勝手に話した会だったので、患者さんにとって有益であったかどうか心配していたのですが、概ね評判よかったようでほっとしました。 今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
−清水 哲 先生(国家公務員共済組合連合会三宿病院 外科)
「本音で話す会」とのことで、ついつい、皆さんに心をゆるし、本音をバンバン言ってしまいました。控え室に戻るやいなや、他の先生に「先生、ずいぶんはっきり言うねー。男が言ったらきついよ」と言われ、青ざめました。あの日は長男の受験説明会から急いで直行したこともあり、医師宇津木久仁子というより、主婦宇津木久仁子だったのかもしれません(言い訳)。悪しからず。
−宇津木 久仁子 先生(癌研有明病院 婦人科)
VOL-Netさんよりお声をかけて頂き、初参加させて頂きました。企画、出席されている皆さんに大変熱心に聴いて頂き、あっという間の1日でした。どのパネリストの先生方も実績のある素晴らしい先輩方たちで、参加されている皆さんの為に一生懸命考えながら話される姿に感動致しました。
懇親会のお酒の席は、ベテラン?スタッフさんに可愛がって頂き、すっかり「スタッフさんの弟キャラ」が心地良くなってしまいました。次回は最後までお付き合い致します。
日常業務に埋もれた毎日を過ごしていると、本当に大切なものが見えなくなってしまいます。今後も様々な方たちとの触れ合いの会に参加させて頂き、今後のチーム医療の方向性を決定したいと思います。
−相良 吉昭 先生(特別医療法人博愛会 相良病院)
とても楽しい会でした。
いつのも講演とは違って、いろいろと各講師やそれぞれの病院の事情も垣間見えて建前だけでなく本音のところも出てきて良かったのではないでしょうか。
−山下 浩介 先生(北斗病院 在宅医療科)
当日は清水先生のポイントを押さえた進行のもと、宇津木先生の切れ味鋭いつっこみ、山下先生のあたたかいお人柄、相良先生の病院での充実した診療内容など、とても感銘を受けるお話しばかりで大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
このような会に参加する機会を与えて下さったVOL-Netに大変感謝しております。VOL-Netの今後ますますの発展を祈っております。
−吉村 吾郎 先生(市立岸和田市民病院 外科)
VOL-Net5周年おめでとうございます。
VOL-Net発足当初、はじめてスタッフの皆さんとお会いした時、とても病を患った人たちとは思えない明るく積極的な姿勢に驚かされました。(当然患者としての辛さや不安は常にあったと思いますが…)それと同時にちょっと頑張り過ぎじゃないかな、人のことより自分の体を心配したほうがいいんじゃないかな、とも思いました。と言うのも、仕事をしながらVOL-Netの活動に参加している方も少なからずおられたからです。
あれから5年、今回のシンポジウムでVOL-Netの5年間のあゆみを拝見して、“声を聴き合う”(Voice of Life)のポリシーを貫き、地に足をつけて着実に歩んでこられたのだと一種感慨のようなものを感じました。皆様の熱意とご努力に改めて敬意を表します。
これからもVOL-Netらしさを失わず、いい感じで発展されるよう陰ながら応援させていただきます。皆様のご健康とご発展をお祈り申し上げます。お身体を大切に。
−飯島 光晴先生(県西部浜松医療センター 放射線治療科)
<わくわくメンバーから>
ステージの上に居ながらも、一般参加者のような気分で、先生方のお話に聞き入っていました。多忙な診療(外来・入院含めて)の中で、よりよい医療を提供していくには、チーム医療が欠かせないとの話が出て、私もソーシャルワーカーとして、より一層サポートを頑張ろう、と思いました。
皆様も、どうぞお気軽に外来や病棟の看護師、医療ソーシャルワーカーに相談し、活用してください。
−大沢 かおり(東京共済病院 医療ソーシャルワーカー パネリスト) |
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