■実施日 |
2011年2月13日(日)午後2時〜4時半 |
■場所 |
中目黒GTプラザホール |
■テーマ |
どうなってるの? 日本の医療〜記者として、患者として考えること〜 |
■講師 |
読売新聞社会保障部記者 本田 麻由美 さん |
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2月13日(日)中目黒GTホールにて、テーマ勉強会「どうなってるの? 日本の医療〜記者として、患者として考えること〜」を実施しました。講師は読売新聞社会保障部記者の本田麻由美さん。ご存知の方も多いと思いますが、乳がん患者でもあり、厚生労働省の担当としての経験や多くの取材経験、そして「がん対策基本法」に関連する様々な場面にも関わってきていて、多角的にがん医療をご存知の方です。(ご本人の自己紹介でもありましたが、VOLのメンバーも仲良くさせていただいてます)
ご自身の罹患体験や日本の現状から、患者が医療を動かしてきた「がん対策基本法」の成立、がん対策関連の委員として関わってこられての、その中間報告の検証は、現場にいた方だからこその思いに溢れていました。
07年の4月に施行された「がん対策基本法」もう4年経つんですよね。
患者の訴えに日が当たり始め、波が起き始めていた中、山本議員の「私もがん患者」という国会での告白から、党派を超えて全国的な動きの中での成立でしたから、しばらくは色んな場面で取り上げられていたのですよね。
ふと気付くと忘れていはいないけれど、その動きが見えなくなっていた(見なくなっていた?)。この間も当然粛々と進んでいたわけですが、死亡率の減少や、QOLの向上等の目標に対しての評価がなかなかうまくいっていないようです。
このことも踏まえて「がん難民を作らない」という視点からの、本田さんの広い視点だからこその課題もお話しいただきました。
根拠に基づくがん対策、がん登録(日本では患者の人数すら把握されていないのが実態)、がんの予防と早期発見。
適切な治療のための、放射線療法や化学療法の向上や医療者の育成、ドラック・ラグの解消(このあたりは、以前から問題視されていた国内審査の期間は短くなってきているのに、様々な制度から治験の問題、企業の立場の問題(製薬企業はグローバルなところが多いです)で何故日本では進まないかを分かりやすくお話いただきました。
がん対策の今後、身近な医療環境の向上、大きな視点小さな視点、どちらから見ても、患者自身の参加が大きな鍵になるのではないか。そんなことを改めて感じさせてもらった時間でした。
勉強会後は9名で本田さんを囲んで懇親会を行いました。
野菜たっぷりのお料理にお酒も弾んで、語らいは尽きることなく、リベンジの論議はぜひ合宿でも!と再会を誓って散会となりました。
<参加者の方々のアンケートから>
・患者となって初めて勉強会に参加させていただきました。これからの生き方について、いろいろ悩む毎日ですが、それとは別に本日のテーマ「がん医療の現状と課題」を知ることで、自分の中での視点が広がりました。参加してよかったです。わかりやすいお話で理解が深まりました。ありがとうございます。
(患者本人、術後4ヶ月)
・がん基本法案の実施状況からドラックラグの問題など、直接内部の部会に携わっていらっしゃる立場からの具体的なお話が聞けて、とても盛りだくさんでした。患者になったばかりの人が正しい情報にたどりつくのはとても難しいと思った。患者自身がもっと勉強していかないと、そして連携していく事の大切さを実感した。
(患者本人、術後・乳がん診断後5年3ヶ月)
・本田さんの尽きない話題提供で、大変勉強になりました。また、生き生きとお話される様子に感銘を受けました。医療現場側の声と患者側の思いをつなぐことのできるお立場として、今後ますますのご活躍をお祈りいたします。
(会社員・遺伝子関連の研究開発型企業勤務)
<講師の本田麻由美さんから>
「がん医療、がん対策の課題」というテーマでしたので、医療情報とのつきあい方や患者の心と社会のがんに対する見方の問題、がん診療連携拠点病院制度や臨床試験体制など、話したいことが多すぎて、時間を大幅に超えてしまい申し訳ありませんでした。それでも最後まで話せず、皆さんと議論する時間も少なくなってしまい、これは温泉合宿(?)でもして語り明かすしかない!とリベンジに意欲満々です。よろしければ、ぜひ!(笑) |
== 講師ご紹介 == |
本田麻由美(ほんだ まゆみ)さん
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1991年に読売新聞社入社後、東北総局、医療情報部などを経て、2000年から社会保障部で医療・介護問題を中心に取材を担当。
2002年5月に乳がんが見つかり、これまで3度の手術に放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン治療、乳房再建手術を受ける。
厚生労働省がん対策推進協議会委員や日本乳癌学会倫理委員会外部委員なども務める。著書に「34歳でがんはないよね?」。
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〜本田さんからのメッセージ〜
私たち患者・家族の声がもとになってできた「がん対策基本法」。がん医療の充実や初期からの緩和医療、相談支援体制の整備などが目標にされていますが、「がん医療がよくなった」という実感は持てないのが現実かもしれません。今、国や都道府県ではどのような考え方でがん対策を進めようとしているのかをご紹介するとともに、患者・家族の視点で「どうあってほしいのか」を一緒におしゃべりしてみませんか。 |
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