手術について/乳房の手術方法
乳房温存術
(部分切除)
乳房扇状切除術
乳房円状切除術
腫瘤摘出術(くりぬき手術)
乳房切除術
(乳房全摘)
胸筋温存乳房切除術(非定型乳房切除術)
胸筋合併乳房切除術(定型乳房切除術・ハルステッド法)
※現在ではほとんど行われていません
皮下乳腺全切除術
乳房温存術
【適応】
乳房の大きさに対して病変部分が小さい場合に適応となります。病変部が大きいと、温存手術を行っても乳房の変形が大きくなってしまい、健側乳房とのバランスがくずれてしまいます。乳房がどのくらい残せて、変形がどの程度になるのかを良く聞いてください。 最近では腫瘍が大きくても手術前に抗がん剤治療を行って(→
術前化学療法
)、腫瘍が小さくなれば温存手術が可能になることもあります。
【メリット】
乳房の膨らみが残せること。
【デメリット】
乳房内再発の可能性があること。そのため温存手術を行った場合は、再発予防の目的で手術後に放射線療法を行うのが原則となっています。この場合、術後5〜7週間、毎日の通院が必要になります。
乳房切除術
【適応】
乳房の大きさに対して病変部分が大きかったり、腫瘍が多発性であるもの、また重い膠原病があったり妊娠中などで術後に放射線治療が困難と思われる場合で、温存手術が適応とならない場合には全切除となります。患者が温存手術を希望しない場合にも適応となります。また、温存手術を行っても、切除部分の切り口(断端)から広い範囲でがん細胞が検出された場合(断端陽性)には、全摘に切り替わることもあります。
【メリット】
原則として放射線治療をしなくて済む。
【デメリット】
乳房の膨らみがなくなるため、精神的なダメージや、生活への影響が大きい。